奈良地方裁判所 昭和56年(わ)37号 判決 1981年5月12日
被告人
(一)
本店所在地 奈良県奈良市富雄北三丁目一番一九号
被告人
株式会社 東口電機製作所
代表者
右代表者、代表取締役 東口武雄
(二)
本籍 奈良県奈良市学園南三丁目九六三番地の一八〇
住居
右同市富雄北三丁目一番二五号
職業
会社役員
氏名
東口武雄
年齢
昭和三年一一月二三日生
右各法人税法違反被告事件
出席検察官
宮下凖二
主文
被告人会社を罰金一三〇〇万円に被告人東口武雄を懲役一年に各処する。
この裁判の確定の日より三年間右被告人東口武雄に対する懲役刑の執行を猶予する。
罪となるべき事実
被告人株式会社東口電機製作所は、奈良県奈良市富雄北三丁目一番一九号(旧二名町二、六〇二番地)に本店を置き、電機器具部品加工販売業を営むもの、同東口武雄は、被告人会社の代表取締役としてその業務全般を統轄しているものであるが、被告人東口は、被告人会社の業務に関し、その所得を秘匿して法人税を免れようと企て、
第一 昭和五二年一月一日から同五二年一二月三一日までの事業年度における所得金額は七、四三二万九、六七九円、これに対する法人税額は二、八七八万一、八〇〇円であるのにかかわらず、公表経理上、架空の材料費を計上するほか売上の一部を除外し、よって得た資金を割引債券等として留保するなどの不正手段により、その所得金額のうち六、〇〇七万七、〇三八円を秘匿した上、同五三年二月二八日奈良県奈良市登大路町八一番地所在の所轄奈良税務署において、同署長に対し、所得金額が一、四二五万二、六四一円、これに対する法人税額が四七五万一、〇〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、よって右事業年度の正規の法人税額二、八七八万一、八〇〇円との差額二、四〇三万八〇〇円をほ脱し、
第二 同五三年一月一日から同五三年一二月三一日までの事業年度における所得金額は六、九〇一万七、三九四円、これに対する法人税額は二、六六九万九、九〇〇円であるのにかかわらず、公表経理上、架空の材料費及び外注加工費を計上し、よって得た資金を割引債券等として留保するなどの不正手段により、その所得金額のうち四、七二五万五、一五〇円を秘匿した上、同五四年二月二八日前記奈良税務署において、同署長に対し、所得金額が二、一七六万二、二四四円、これに対する法人税額が六七五万九〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、よって右事業年度の正規の法人税額二、六六九万九、九〇〇円との差額一、九九四万九、〇〇〇円をほ脱し、
第三 同五四年一月一日から同五四年一二月三一日までの事業年度における所得金額は七、一三四万一、二七二円これに対する法人税額は二、七五六万七、四〇〇円であるのにかかわらず、前同様の不正手段により、その所得金額のうち五、〇七三万四、五八〇円を秘匿した上、同五五年二月二九日前記奈良税務署において、同署長に対し、所得金額が二、〇六〇万六、六九二円、これに対する法人税額が七二七万三、四〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、よって右事業年度の正規の法人税額二、七五六万七、四〇〇円との差額二、〇二九万四、〇〇〇円をほ脱し
たものである。
適用した罰条
法人税法一五九条一項、二項、一六四条一項
刑法四五条前段、四七条本文、一〇条、四八条、二五条一項
(裁判官 長崎裕次)